足利を舞台に!高校生映画制作グループ Bad Guys ART work

高校生自主映画『Bohemian』▲高校生自主映画『Bohemian』
旧足利西高校をはじめとして
あるときは足利学校やあしかがフラワーパーク
あるときはいつも歩く路地裏や公園が劇場やテレビに映る足利市
 
周りの方々の協力や応援に支えられて
市内各所で映画やドラマの撮影が行われ約8年
いまやロケ地足利は市民の方のみならず
日本中のファン、多くの制作陣に愛されています
 
 
そんな足利市でまちや仲間、映画を思う高校生5人が、
現在伝えたいメッセージを映像にするため
市内各所をフィールドにして自主映画を制作しています
 
彼らのグループ名はBad Guys ART work
 
 
先日2021年9月10日より、初の長編作であり2作目の
『Bohemian』がYouTubeで公開されました
 
足利市地域おこし協力隊として、いや1人の映画好きとして
彼らについて「知りたい!聞きたい!」ことがたくさんあり、
『Bohemian』を鑑賞後、自分の感想や考察をもって
ありがたいことに今回取材させてもらうことになりました。
映画雑誌…風味?と思いながらご覧ください
 
 
Bad Guys ART work紹介

【写真右】綾部光真さん【写真中央】板橋謙佑さん【写真左】木村颯汰さん▲【写真右】綾部光真さん【写真中央】板橋謙佑さん【写真左】木村颯汰さん
 
演出担当 綾部光真(あやべこうま)さん
監督・制作総合指揮担当 板橋謙佑(いたばしけんすけ)さん
プロデューサー担当 木村颯汰(きむらそうた)さん
 
本日の取材では欠席されていますが
助監督担当の 松島嵩(まつしましゅう)さん
アートディレクター担当の 山本賢太郎(やまもとけんたろう)さん
計5名で構成される現役高校生グループ
自主映画を制作するようになったきっかけは、中学時代の遊びで短い動画を撮影したことから。
脚本・編集・宣伝・アートワーク・デザイン全てを自らで手掛けて、自分たちのメッセージを世界に発信しています。
 
 
取材場所は憧れの旧東映プラザ。某番組みたいですね▲取材場所は憧れの旧東映プラザ。某番組みたいですね
 
−今回はこのような時間を設けていただきありがとうございます。
早速ですが今回の2作目『Bohemian』を制作しようと思ったきっかけを教えてください

 
前作『Let it be』が身近な友人・知人からYouTubeやSNSのコメントで好評をもらっていて、
次回作はショートショートフィルムコンテスト https://www.shortshorts.org/ を目指した作品を作ろうと思っていました。
だけどまだ賞に応募するほど個人やグループのスキルや長所・短所がわかっていなかったので、
今回は応募に向けた自分たちの挑戦として長編映画『Bohemian』を制作することになりました。
当初は同年代の高校生に向けた作品を作る予定でしたが、自分たちの挑戦・ステップアップや今作以降の作品作りも想定して、
大学生や社会人の鑑賞者に届く内容に変更し『Bohemian』が出来ました。
おかげで僕らとは違った年齢層にも知ってもらうきっかけにもなったので、ある意味「名刺代わり」の作品になったと思っています。
 
 
−では初めての長編作ということで、私個人として聞きたいことがいくつかあります。
まずは構想から撮影、YouTubeへの公開を含めてどれくらいの期間がかかりましたか?

今回『Bohemian』の企画が開始したのは2021年4月からです。
先程お話したとおりテーマや対象年齢を変更したので、構想から企画と撮影準備に4ヶ月掛かってしまいました。
実際にキャストを交えた撮影は、夏休み期間を利用して約1ヶ月半使っています。その後映像編集に2週間掛けてYouTubeで公開しました。
実際の学校生活や勉強、それぞれの部活動もありましたが、メンバー内でスケジュールや撮影方法を調整と工夫しながら撮影したのは印象深いです。
 
 
−なるほど!6ヶ月以上の制作期間を経ての公開だったんですね。その分クオリティも高く見応えのある作品になっていると思います。
そんな長編作を一緒に制作した撮影メンバーについて教えてください。

 
基本的は現在この場にいる3人(綾部さん、板橋さん、木村さん)と本日欠席している2人(松島さん、山本さん)の計5人で撮影しています。
撮影資機材としてはiphone11や12proを駆使しながら撮影・録音をしているのですが、
どうしても容量が足らなくなった時はAirDropを使いながらメンバー同士でデータのやりくりをして撮影したこともあります。
それ以外にも撮影協力してもらうメンバーもいまして、今回の『Bohemian』では最多13人で撮影に取り組んだシーンもあります。
その中には特殊メイク担当もいるんですよ(また追加取材で分かったのですが、総出演者数は20名とのことです)
 
 
−特殊メイク担当!プロの映像制作陣のように本気で取り組んでるんですね
様々なシーンで皆さんのこだわりを感じては笑ったり感動したり、一人の大人として反省することも多かったのですが、
とりわけ全ロケーションが足利市内であることに一番感銘を受けています。
そんな足利市内で撮影している中であったエピソードを教えてください。

 
僕らの生活圏内を中心に撮影していたので、主な移動手段が自転車でも苦労することは少なく、メンバー内での連携も取りやすかったです。
ただそれゆえに前作も舞台が同じになってしまうので、なるべく被らないよう工夫して今回のようなロケーションを整えることが出来ました。
その中でも商業映画やドラマなどでも使用している旧東映プラザ(足利市井草町2408)を使って撮影出来たのは、
感動や感銘もありましたが何よりもグループ全体の自信につながったのかな。と思っています。
…でもエピソードとして旧東映プラザでの撮影初日は諸事情が重なって電気が使えなかったので、照明の確保や換気、なにより暑さには苦労しましたね(笑
またホテルのビアガーデンでは、定休日にご協力をいただいたこともあり、大掛かりな演出で撮影させてもらったのは非常にいい経験になりました。
 
 
旧東映プラザのゲートを眺める3人▲旧東映プラザのゲートを眺める3人
−旧東映プラザとホテルでのシーンには一際皆さんの熱量やこだわりが伝わってきたのですが、その中にも悩みや苦労があったのですね。
そんなプロも使用している撮影地や、足利市民として馴染みのあるお店や場所も多く映っています。
撮影するにあたりどのように許可をいただいたのでしょうか?

Bad Guys ART work撮影許可担当は木村さんで、小学校の頃より足利市役所の映像のまち推進課に
撮影ボランティアやあしかが映像まつりの手伝いとしてよく来ていて、中学の頃は映像のまち推進課のマイチャレンジ企画にも参加していました。
そんな以前の繋がりもあって憧れていた旧東映プラザをお借りすることが出来ました。
他の飲食店や施設についても交友関係やネットワークを使い直接店舗や施設に赴いて、
自分たちの名刺を渡して撮影協力のお願いをしていました。
 
 
−個人的に昭和通りのカフェ・アラジンにはよく通っているので、マスターやお客さんが客演していたのは印象的でした。
こちらも同じように許可を取ったのですか?

 
そうですね。僕らもカフェ・アラジンにもよく行きます。
その関係性もあり撮影許可もスムーズで、マスターやお客さんも快く出演をオーケーしてもらいました。
 
 
−そうだったんですね。皆さんのエピソードを知った上でもう一度鑑賞して、新しい面白さを再発見したいと思います。
そんな制作秘話も盛り沢山の『Bohemian』 公開してからの反応はいかがでしたか?

 
今作に関しては大人向けということ、そして自分たちのメッセージを込めていることから、作品について考察してくれる声が多いです。
でも考察や作品の探究をしてくれるのは僕らより年齢が上の人で、同年代からは「わからない」という声が聞こえてきます。
これは個人的な印象ですが、同年代の高校生は映画館に足を運ぶことだけでなく、映画を鑑賞することへの興味・関心が低いと感じていて、
おそらくこういった動向や傾向も「わからない」と思ってしまう一端を担っているのでは。と考えています。
「わからない」と思うこと自体は悪くないのですが、“ただ”「わからない」で終わらないでほしい。と常に考えているので、
同年代に僕らが映画を制作している。というアクションを見てもらい「映画を鑑賞すること」、
そして「作品について深く考える・考察する」きっかけになってほしいな。と思って活動しています。
 
 
話している風景だけでも仲がいいことが伝わってきます▲話している風景だけでも仲がいいことが伝わってきます
−一人の映画好きとしてBad Guys ART workの活動の姿勢には感服するばかりです。
今後も皆さんの作品を楽しみにしながら、私も頑張りたいと思います。
それでは最後に、皆さんから『Bohemian』の見所や思いについて教えてください。

 
作品全編通じて色んな場面で伏線を張り巡らせているので、すべてが見所であり注目してほしいと思っています。
また今作は昨今のコロナ禍ニュースや状況を参考にしています。
今の抑圧された環境下で、みんなが自分勝手になりどうしても視野が狭くなっているなと感じることも多くなりました。
主人公の葛藤や苦悶もそれらを下敷きにして表現しています。
是非1回だけじゃなく何回も鑑賞していただき、ストーリー・伏線・演出・自分たちが伝えたいメッセージを考察してほしいです。
そしてその感想や考察を周りの人と共有してもらえたら嬉しいです。
 
 
−本日はお忙しいなか、貴重なお話を伺わせていただきありがとうございました!
 
 
取材後、次回作ややってみたい希望について聞いてみたところ
稼働しているオフィスに見立てて足利市役所をロケ地にしてみたいこと
あしかが映像まつりで行っていたような野外上映やユナイテッドシネマ・アシコタウンあしかがを使用した
ショートフィルムフェスティバルもやってみたい!という大人もワクワクする野望や、
今まで撮影に協力してもらった店舗や施設、そして足利の良さを
自分たちでプロモーションビデオを制作してもっと世界に発信したい!こと。
そして自分たちと同じく夢のある高校生や学生と切磋琢磨したり、様々な大人たちとも協力して成長していきたい。という、
これからの足利市と、自分たちや希望や展望を持つ同年代と歩んで行きたい未来への思いも語っていただきました。
 
 
現在はショートショートフィルムコンテストに向けた次回作の企画・構想中とのこと
 
 
今も、そしてこれからもBad Guys ART workの活動が楽しみです!
 
新聞記者さん取材対応中の5人▲新聞記者さん取材対応中の5人
 
 
Bad Guys ART work 各種リンク
 
【Bad Guys ART work 公式HP】
https://bg-art.work/
 
【Bad Guys ART work YouTube公式チャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCFV-P2eveCX8R3DciXaLKqA
 
 
【高校生自主映画「Bohemian」】
https://www.youtube.com/watch?v=R1K-cT-K3dI